虚数霊

虚数霊 1 (バーズコミックス) ASIN:4344804279
むらかわみちおの新作が出ていたので、思わず買ってしまった。うすうす予想していた通り自分の中の葬送を確認した結果になってしまった。

話は相変わらず焦点が定まらない感じで、僕にとって絵の人であることは変わらないんだけど、「俺はこの絵から影響を受けたいぜ」、という気持ちがしぼんでしまっていた。これは、家にある単行本を眺めていた際に、確認済みだったんだけど、それを追認しただけだったなあ、と思った。
今でも好きな絵であることは確かなんだけども、それは現在形じゃないなあ、と感じられてさびしかった。多分その理由は、僕が好きだったのが、基礎画力じゃなくて、見せ方やまとめ方の部分であることに起因しているんだろうなーとも思った。

あと設定はほんとひどかった。
虚数って何だよ、作品上の意味がわからねえようるせえ黙れよ、と思った。
意図として、物に対する思い入れが重要な世界、が書きたいのは分かったけど、でも作品で具体的に描かれる状況とその価値観が全然マッチしてねーよ、と言う感想。